技術について

SenrigaN 計測原理

計測手法 (漏洩磁束法と磁気ストリーム法)

SenrigaNは鋼材の太さとかぶりによって「磁気ストリーム法」
「漏洩磁束法」の2つの計測手法を使い分けることができます。
漏洩磁束法は十分に磁化できる細い鋼材に、磁気ストリーム法は強力な磁力でも減衰が現われる太い鋼材に適しています。

  • 太い鋼材

    磁気ストリーム法

    磁気ストリーム法とは、コンクリートの外側から内部鋼材に対して特殊な磁石をあてがい1方向から磁場をかけることにより、破断による磁場の急減衰現象を捉える方式で、ポステン桁のような太い鋼材の検査に適しています。

    磁気ストリーム法の原理

    コンクリートの表面に磁石をあてて、内部鋼材に対して一方向から磁場をかけながら、破断箇所に生じる磁力の変化を捉えます。鋼材に破断がない場合、鋼材に流れる磁力は距離と比例して徐々に弱まります。鋼材に破断がある場合、磁力の流れが途中で分断され、急激に減衰します。

    破断による波形変化(3軸方向)
  • 細い鋼材

    漏洩磁束法

    漏洩磁束法とは、コンクリートの外側から内部鋼材に対して特殊な磁石をあてがうことで鋼材を磁化させ、破断による磁場の変化を捉える方式で、プレテン桁のような細い鋼材の検査に適しています。

    漏洩磁束法の原理

    計測面に磁石を接触させながら移動し、内部鋼材に磁気を帯びさせます。磁気を帯びた鋼材からの漏洩磁力を計測し、破断部に生じる磁場変化を捉えます。
    鋼材に破断がない場合、鋼材は一つの磁石となるため、測定磁場は連続的な変化となります。鋼材に破断がある場合、破断箇所に新たにN極とS極が生じるため、測定磁場は特徴的な波形を示します。

    破断による波形変化(3軸方向)
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破断検出実績

沖縄県 道路橋梁(塩害劣化橋)

沖縄県 道路橋梁(塩害劣化橋)

土木学会西部支部沖縄会 技術小委員会と連携し、沖縄地区にて実証実験「インフラの劣化予測と残存性能の診断」テーマとして内部鋼材破断検知を検証

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北陸地区 道路橋梁

北陸地区 道路橋梁

金沢工業大学 田中泰司研究室と連携し、破断検知箇所をはつり出し100%の正答率

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論文

  • 令和4年度土木学会全国大会第77回年次学術講演会 沖縄県における磁気センシング技術を利用したPC鋼材破断検査について *川島 将太1、木村 浩士1、田中 大気1、森田 博2 (1. 大日本コンサルタント株式会社、2. コニカミノルタ株式会社)

  • 令和2年度土木学会全国大会第75回年次学術講演会 [V-660]PC 桁内部鋼材の破断検知を実現する新技術(磁気ストリーム法)の一考察 株式会社 エイト日本技術開発 正会員 瀬良 敬彦、株式会社 エイト日本技術開発 正会員
    ○寺田 弘基、 コニカミノルタ 株式会社 正会員 森田 博、広島県西部建設事務所 廿日市支所 厳島港整備課 竹中 学

  • 令和元年度土木学会全国大会第74回年次学術講演会 2019年9月 [V-214]磁気ストリーム法を活用した非破壊検査機器による PC鋼材破断検知の有効性の検証 *唐澤 恭平1、吉田 幸司1、丸山 一直2、森田 博2、橋本 好之3 (1. 東海旅客鉄道株式会社、2. コニカ ミノルタ株式会社、
    3. コニカミノルタビジネスアソシエイツ株式会社)

  • 土木学会西部支部 沖縄会 技術研究発表会 第8回研究会 2019年1月 磁気ストリーム法によるPC橋の内部鋼材破断を検知する非破壊検査ソリューション コニカミノルタ(株)正会員○森田博 コニカミノルタ(株)丸山一直 コニカミノルタ(株)正会員 阿部真之介 コニカミノル タビジネスアソシエイツ(株)橋本好之

  • 土木学会西部支部 沖縄会 技術研究発表会 第8回研究会 2019年1月 磁気を利用した非破壊検査機器によるプレテンI 桁のPC鋼材破断位置判 川田建設(株) 正会員 ○垣花 寿 コニカミノルタ(株) 正会員 森田 博 (一社)沖縄しまたて協会 正会員 玉城 喜章 コニカミノルタ(株) 丸山 一直 琉球大学工学部 正会員 下里 哲弘 コニカミノルタ(株) 阿部真之介 コニカ ミノルタビジネスアソシエイツ(株) 橋本 好之

  • 平成30年度土木学会全国大会第73回年次学術講演会 2018年8月 磁気を利用した非破壊検査機器によるプレテン桁のPC鋼材破断検査 川田建設(株) 正会員 ○垣花 寿 コニカミノルタ(株) 丸山 一直 (一社)沖縄しまたて協会 正会員 玉城 喜章 コニカミノルタ(株) 森田 博 琉球大学正会員 下里 哲弘 コニカミノルタ(株) 橋本 好之

機器の仕様

全体仕様

項目 仕様
使用環境 温度 0℃~40℃
湿度 湿度20%RH~80%RH(無結露)
保存環境 温度 -10℃~60℃
湿度 湿度20%RH〜80%RH(無結露)

磁石ユニット

項目 仕様
外形寸法 235(W)x113(D)x87(H)mm (グリップ含む)
重量 4.3kg以下(グリップ含む)
使用環境 温度 0℃~40℃
湿度 湿度20%RH~80%RH(無結露)
保存環境 湿度 -10℃〜60℃
温度 湿度20%RH〜80%RH(無結露)

【注記】

  • 摂氏80度を超える環境では、磁石の磁力が恒久的に低下します。
  • 仕様は、事前の連絡なく変更することがあります。

計測機器

項目 仕様
型番 SenrigaN 5316E
バッテリー稼働時間 約4時間
磁気計測機能 磁気計測方式 3軸磁気センサー(横5列 x 縦54個 x 上下2段)
計測範囲 160mm(幅)x530mm(長さ)
計測解像度 40mmピッチ(幅)×10mピッチ(長さ)
計測時間 約5秒(1回計測/10回平均モード)
使用環境 温度 0℃~40℃
湿度 湿度20%RH~80%RH(無結露)
保存環境 温度 -10℃〜60℃
湿度 湿度20%RH〜80%RH(無結露)
保護等級 IP65相当
外形寸法 705(W)x200(D)x92(H)mm
重量 3.4kg以下※グリップ、バッテリーを含む
安全 IEC 62368-1相当
電波規制 VCCI ClassA適合

【注記】

  • 計測時間は、通信環境によって長くなることがあります。
  • 仕様は、事前の連絡なく変更することがあります。

SenrigaNクラウド

項目 仕様
推奨ブラウザ Google Chrome

よくあるご質問

  • 心臓ペースメーカーなどの電子医療機器を装着した人は磁石を使用しないでください。また装着した人に磁石を近づけないでください。
  • 磁石と鉄などの磁性体との間には非常に強い吸引力が働きますので、手足や体を挟まれないようご注意ください。
  • 磁石を磁気カードなどの磁気記録媒体に近づけるとデータが破壊されて使用できなくなる恐れがあります。また、パソコン、電子腕時計などの精密電子機器に近づけると故障の原因になる可能性がありますのでご注意ください。

下記より弊社までご連絡下さい。

鋼材が使用されている構造物であれば特に種類は問いません。実績があるものはPC桁(プレテン、ポステン)、スターラップ(鉄筋)、コンクリート床版のダウエルバー、コンクリートポールなどです。
上記以外は別途ご相談下さい。

鋼材が斜めに入ってたり、複雑な配筋構造の場合は鋼材の位置を計測前に墨だしします。一般的にポステンは必要なことが多く、プレテンは不要なことが多いです。

SenrigaNは複数のセンサーで波形を描くため、スターラップによる波形の変化と破断による波形の変化を見分けることが可能です。
下図のようにスターラップの場合は全てのセンサーが反応し、破断箇所では一部のセンサーだけが反応します。
ただし、鋼材とスターラップの位置関係によっては計測困難な場合もあります。
下図は漏洩磁束法でプレテン桁を計測した場合の深さ方向(Z軸)の波形です。

SenrigaNでの計測において、信号の強さは対象となる磁性体の破断断面積に依存します。シース管と鋼材の断面積比は一般に十分大きいため、下図の通りシース管があっても内部鋼材の破断を捉えることが可能です。
下図は鋼材(φ28.6mm、19本撚線)、シース管(内径40mm、厚さ0.27mm)、鋼材かぶり 10cm、破断離隔 3cm、断面積比 φ28.6鋼材(468mm2) : シース管(41.3mm2) ≒ 10 : 1における磁気ストリーム法での計測結果です。

最も条件が良い場合で20センチ程度です。スターラップなど他の鉄(磁性体)があると10~15センチ程度です。最表面の鋼材を計測します。
具体的な案件がある場合は構造情報を教えていただければ実験室でモデルを組んで測定可能かどうかを判定します。お気軽にご相談下さい。

作業環境がよければ1日に100ヶ所程度計測が可能です。1ヶ所16cm×53cmの広さを測ることができます。
高所作業車や狭い足場など作業環境が悪い現場ではこれより少なくなる場合があります。

2~3人で計測可能です。計測機器・磁石担当に1~2名、データ登録担当に1名です。

弊社のパートナー企業にて検査可能です。ホームページのSenrigaN取扱い検査会社をご覧ください。
尚、研究目的などの場合は個別対応もいたしますのでご相談下さい。

御社での初めてのご利用の場合は半日~数日程度のトレーニングを受けていただきます。計測機器の使い方や磁石の取り扱い、データの登録の仕方や読み方などの講習をご提供します。

各ソフトウェアコンポーネントに付与されたライセンスに関して

本製品に含まれるソフトウェアコンポーネント類には、LGPL,MPL ライセンスが付与されているものがあります。それらのソフトウェア開発者様各位、ならびにデータ整備や様々な活動を行われているコミュニティを構成する方々にKMを代表し感謝の意を表明致します。

LGPL、MPL ライセンスに関しましては顧客の希望者に対して該当部分の公開義務のあるソースコードを入手可能にするよう求められるものがあります。

ソースコードは現状のまま、かつLGPL、MPLに基づき提供されます。
以下に本製品に含まれるソフトウェアコンポーネント類に付与されている、LGPL, MPL ライセンスについて、その原文を添付致します。

Chardet4.0.0

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